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24日目

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女は何一つ不自由のない暮らしをしていた
家庭は裕福でちょっとした地位の高い家なのだ
女は家を継ぐ必要はない
何故なら女は三女だからだ
姉と兄、そして弟と妹
召使に悪戯をしたり嘲たり
こき使ったり
兄弟は召使達に影で悪口を言われていたが気にも止めなかった
気に喰わなければ親にいって彼らを首にすればいいのだ
三女は自分達の立場を鼻にかける兄弟を見て"滑稽"だなと思った
だが飾り物の王様は必要なのだ、ああいうのが居れば人はついていくのかもしれない
細かい事は側近が考えればいいのだ
自分はそんな立場が似合うのかもしれない
女は狩りが好きだった
シーズンになれば兎や鹿などを狩りに行く
後々知った事だがそういう獲物を召使達が直前に離すと聞いて好きではなくなってしまった

女は不自由のない暮らしをしていた


これが誕生日や特別な日であればどれほどロマンチックで素敵かと女はいつも思い出すときに思っている
それは12の頃、召使に無理を言い夜空を見に行ったのだ
御付は3人、老人と若い女と青年だった
生憎と星を見られるほどの余裕はなく、召使は殺され餌になった
動物等ではなく後々に吸血鬼だと知った。
それは闇に溶けた体が、手足が自在に、彼らの身体をばらばらにしていた
3人の食事をし、吸血鬼は腹が一杯になっていたのだと思う
自分を残忍に遊んだのだ、まず逃げられないように足を斬り
次に這うことができないように片腕も斬り落とされた
気が狂うのではないかと思うほどの痛みだった
自分がもう逃げないと感じた吸血鬼は、気まぐれに片目を抉るのだ
痛いと泣け叫んでも愉快に笑う、行為の最中吸血鬼は子供という存在に恨みがあるような口ぶりを漏らしていた
気を失うことさえあれは許しはしなかった

意識を取り戻すとそこは自分の室内
身体がまったく動かず起き上がる事もできない
それどころか激痛が走る、父親と母親の名前を呼んでも返事もしないではないか
変わりに来たのは召使達と医者
そこで自分は改めて知ることになった、片手以外の手足がなくなっていることに
彼女は吸血鬼を追っていた粛清者に発見され近くの村の医者に診てもらったのだという
それでよく親の元まで連絡がついたものだと思ったが翌日着ている衣類や娘が帰っていない事に近場の村に連絡をするとそこにいきついた様だった
(余談だがその村の村長が彼女の親に、助けたのだからと金品を要求したが親の怒りを買い処理され
 "娘を誘拐して暴力を振るった"と、言い掛かりをされた村は助けた粛清人を犯人にして打ち首にしたとの事だ。)
なんにせよ彼女は生き延びたが彼女の人生は終わってしまった。
それから先は簡単なものだった
親はこんな事件に見舞われた自分を拒絶し
兄弟達は面白半分に自分を見に来た
召使はほぼ勘当されたに近い自分に対して粗雑な扱いをする
日に日に女の心は磨り減っていった
ある晩召使の一人が部屋に侵入し自分を慰み者にしようとした事があった
彼女は必死に抵抗し噛み付き寝台から転げ落ちた
寝台の下には兄のものだろう、空になった酒瓶が転がっていた
転んだ衝撃で動けないと勘違いし、気が緩んだ召使の頭に一発
割れた破片で刺すと生暖かい温もりと感触、それはとても病み付きになる感触だった
悲鳴があがり男はよろめきながら部屋を出る
暖めなくてもすぐに感じる温もりと生きているゆえの特有の肉の弾力。
彼女はその日、人を刺す感触を覚えた

また月日は流れ、女はとうとう屋敷にはいられず遠くの屋敷に移される事になった
どうしてそうなったのかは度々女がフォークやナイフで召使の手足を気まぐれに刺す様になったからだった
召使はそれを恐れ、出来るだけ刺されない様注意をしていたが
間抜けな兄弟達は話が違う、肥えた妹を刺すのは簡単で感触も面白いものだった
それが切欠だったのかもしれない
そしてその2年後に兄からの名義で義足だとよく見ても人の手足そっくりな代物が送られる事になる
手術を終えるとその義足の素晴しさが身にしみて理解できた、試しに召使の首を折ろうとしてみると簡単に折れるのだ
自分の手足として使うにはなんら不自由のない、ただちょっと力が強すぎるという事を除けば
女はその足で召使達を殺した、そして我が家へと帰り彼女の欲望赴くままに振舞った

女は家名を捨て15で修道女になった
ただの修道女ではない、粛清人になったのだ
粛清人は不死者や神に仇名す者を粛清しなければならない
これほど彼女に見合う仕事はなかった
そしてすぐに異端審問へと入り仕事をこなす事になったが、あることを境に考えが変わることになる
義足を手に入れて毎月のことだが月が赤い日は動けなくなるほど身体が痛くなるのだ
余りに酷いと阿片を用いて誤魔化してもいたが医師に診せて判明したことだ
これは吸血鬼の手足だと言う
自分を異端審問に連絡しようとした医師を手にかけた後
彼女は長年の疑問が解決し随分スッキリとした顔をしていた
女は先がない、吸血鬼の死んだ血が毒となり自分の身体を蝕んでいるのだ
20前後で死ぬだろうと言われてしまった
ならばどうするべきだろうか
女は自分の余生を考えた

「そうだわ。
 家を買いましょう。
 見晴らしの良い港町…そんな所で余生を過ごせたらロマンチックね。」

女は行動が早くその日に異端審問を半ば脱走に近い形で出、魔術商会で用心棒をするに至った




「随分機嫌がいいのな。」

鼻歌交じりのカテリーナにジョンが問いかける。

「ちょっとね、いいことがあったの。」

カテリーナは機嫌良く答え、ジョンはつまらなさそうにふーんとだけ答えた。
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