categoryスポンサー広告

スポンサーサイト

trackback--  comment--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
category日記

11日目

trackback--  comment--


表:
大熊猫の連れがカツオを釣り上げてた。

(ENo.1351 サクラ・エゾヤマさんと同じURLです)
http://egoist-love.chu.jp/6L/j/e/20111230-home.png

裏:
「へぇ、褒められたのか。良かったな。」

数日の間、小鳥に料理を教える中で上手に出来たものを友達にあげたそうだ。
それは美味しいと褒められ小鳥は一目散に報告しに来た。
頭を撫でてやると喉元から鳥類独特の鳴き声が漏れる。
それは耳に心地よい声色だった。

また数日が過ぎる頃、片翼が漸くと姿を表す。
仏頂面で淡々と現状の説明をするのかと思えば傍らの小鳥を視界に納めるや否や殴りかかってきた。
わけがわからないが小鳥もわけがわからない。
小鳥は突然と殴りかかった片翼の背中にしがみつき肩口へと噛み付いていた。
胸倉を捕まれ片翼の眼前へと顔を近づけられる。
琥珀色の瞳孔鋭い目が自身を見ている。

「アナタは彼女を殺す気ナノ?」

わけがわからなかった。
片翼を威嚇し続ける小鳥を別室に、片翼と話をすると話を切り出した。


「今回の相手はとてもじゃないケレド相手が悪いワ。
 追い込むのが得意なのヨ。」

「別に窮地に立つのはいつもの事だろ。」

そうじゃない、と片翼は少しカタコトの言葉を使い否定した。

「ソウ、ボク達ならイイワ。
 デモまだ子供の彼女からしたらそれは虐待ヨ。」

「無傷で助けたいって事ね。」

片翼は自身の種族に関わる事は出来うる限り救済を取ろうとする。
片翼と知り合いの自身が小鳥と関わる事に気づかれればなにかされるかもしれない。
そんな不安要素を考えたのだろう。
どうしてそこまでするのか理解は出来なかったがその考えには従う事にした。

「わかったよ、じゃあもう明日から来るなって言っとくよ。」

「アナタって最低ネ。」

「やめてくんないかな、一番傷つくんだけど。」

即座に返された言葉に胸元を押さえよろけてみるが冷ややかな視線しか返されなかった。
片翼は小さくため息をつき、肩を竦めて見せた。

「こうなったら仕方がないわネ、アナタと彼女は信頼はあるしこのまま魔術商会に届けてやろうカシラ。
 話はボクがしてくワ。」

「さっきのでお前絶対嫌われてると思うけど。」

「奇遇ネ、ボクも子供は苦手ヨ。」

さいですか…。そんな言葉が漏れた。





片翼は小鳥に話を通したが最初は全く信用もされなかった。
結局自身が話す事になりしゃがみこみ相手の視線を合わせて腹を割って話し合っていた。
小鳥も出来れば帰りたいと言う。
それならお互いのやる事は決まっていた。
今日のところは返り小鳥は戻る準備をこっそりとする。
自分達は変えるための手はずを整える。
ただそれだけ。
とても簡単な筈だった。

「やっと帰れるんだ…。」

小鳥は長く長く息を吐き出ししみじみと呟く。
「良かったな。」と声をかけようとした瞬間、小鳥の手は自身の頬へと触れていた。

「ありが……??」

そのまま大きな音をたてて倒れてしまった。

「あれ?…おい。」

倒れた背を揺さぶっても反応をあまり示さなかった。
何故か。思い出せば小鳥は自身の頬へと触れていたではないか。
顔以外の露出は避けていたというのに気が緩みすぎていた。
自身は彼女の命を吸い取ってしまったのだ。
慌てて抱き起こせば命までは奪ってはいないようだった。
だが視線は定まらず呼吸もとても浅い。

「これは……。」

怒られる。

確実に。





片翼にしこたま怒られ正座を2時間し終え漸く許しを得られた。
だが小鳥は寝台に寝かせはしたがそのまま眠りについたが起きる気配を見せない。
夕刻を過ぎても同じ。
結局翌日の昼に意識を取り戻した。
まだ本調子とは言わず足取りもよくなかったが小鳥はうわ言の様に「帰らなくちゃ」と呟いていた。
こんな状態の小鳥を劇団に帰すわけにもいかず。
片翼は別室でどうするか話し合った。
結果的にこのままつれて帰ろうという事に落ち着き小鳥の寝る部屋へと戻ると、小鳥は靴を残し忽然と姿を消していた。
その翌日、片翼は前日の夕刻劇団が街から出て行った事を告げた。


*********

体にあまり力は入らなかったが素足のおかげである程度のバランスはとることが出来た。
どんな事があろうと帰らなくてはいけない。
門限というものはないが決まりはあった。
"仕事をする"事だ。
だが昨日は仕事を一つサボってしまったのだ。
何故か意識を失い何故か翌日になってしまっている。
大変よろしくない状況だった。
本来なら前日は帰って仕事を終え1日を終える。
その翌日彼等と合流する前に近場の自衛団に劇団の事をタレ込み街から追い出そうと考えていたが全てが破綻していた。

「にゃぁ。」

不意に聞き覚えのある声と共に視界がとても暗い。
顔を持ち上げると目の前にねこ先生が自身を見下ろしていた。

「見ぃつけたァ。さあ、さあ、さあ。」

楽しそうにねこ先生は囁き否応無しに手首を掴み引きずるように歩き出した。
体が追いつかず何度か転びそうになってしまう。
ようやく足を止めると荷台にたんと荷物を詰め込んだ馬車が置いてあった。
入り口は開けっ放しになっており中には劇団の団員が座っていた。

「突然だけど移動します。」

にやついた笑みでねこ先生は遅く「にゃ」と鳴き声を発した。

終わった。

馬車へと乗り込むとねこ先生は馬車台に居るdoll*dollへと軽く手を上げる。
ねこ先生も乗り込むと大きな振動が一度、馬車は動き出した様だった。
馬車内は静かというよりかは鰐男の咀嚼音で煩かった。
骨付きの肉を骨後と齧り食べている。
何せ口を閉じて歯をかみ締める事が出来ないので音も聞こえるし下手をすると食べカスまで散らばる。

「肉付き悪ィなァ、もうちょっと肥えさせてもよかったんじゃねェの?」

爪で歯の間に挟まった肉を穿りながら言う。

「それは"雑用"に言えば…姉さんはいっぱい食べれたからいいけど。」

それに対して男女二人組みの男の方が小さな声で返し、姉であるラバースーツに身を包んだ女性を撫でていた。
そりゃあそうだ、どっと鰐男は下品な笑いを上げている。
"雑用"というのは自分の事だ。
だがしかし何故自分に言うのか。
ねこ先生はあいかわらず笑っていた。
鰐男も笑っていた。
なんでもしすぎる団員のやる事だ、それは容易に想像もつくが一番想像をしたくない。
聞くことすら恐ろしくだが確認せずにはいられない、自然と声が震え。

「……。
 ボクの友達を食べた?」

「ご名答。
 こう食い扶持が多いとなァ
 家族まとめて狩った方が早いんだわ。」

鰐男は再度笑う。
思考が停止して考える事が出来なくなっていた。
視界の中に床に落ちた握れるほどの木材が転がっている。
何気なくそれを握り気だるい体を鞭打ち立ち上がる。
揺れた馬車の中で立ち上がるというのは聊か難しくはあったがそれはすぐ終わった。
唐突な悲鳴と血飛沫が上がる。
握っていた木材で鰐男の片目を深く突き刺し引き抜くと大きな眼球が綺麗に抜き取れた。
自身も笑う事にした、怒号と共に拳が飛び軽い体はすぐに飛び馬車の扉へとぶち当たる。
まだ神経が繋がったまま刺した眼球が弾みで千切れ鰐男は片目を抑えて蹲った。

鰐男は再度笑った。
予想していたとはいえ事実をつきつけられると思考は停止してしまうようだ。
何も考える事が出来ない。
出来はしないが行動はできた。
床に転がった鞘に納まったままの投擲用のナイフが転がっている。
それを拾い上げ自然な動作で引き抜くと勢い良く笑っていた鰐男の目玉へと深く刺し貫いた。
汚い悲鳴が馬車に響くと同時、軽い体は馬車の扉を叩き蹴りだされる。
視界が回り地面と空が早々に切り替わる。
大きな衝撃と共にそれはすぐに終わり小柄な体が転がった。

「あーあー、こりゃぁ俺の出番ですかねー?」

遅く馬車が止まりガスマスクをつけた太った男が笑いながら片目を押さえる鰐男へと声をかけたが「誰のてめえの世話になるか」とつっけんどんに返される。
道端で倒れたまま動かない小鳥へと近づき容態を見て。

「金になるから酷い怪我はさせるなって言ってたけどやりすぎじゃねーの?」

ねこ先生は困った子達だと肩を竦めていたがその傍らに座る人の姿に似た蜂はじっと鰐男の事を見つめている。

「おい!ふざけんな俺ァ怪我人なんだぞ!
 正当防衛ってヤツだよ!俺は悪かねェ!」

鰐男が喚き立てる。
あまりの痛みで思わず本来の鳴き声で鳴いたのか足元から鳥の鳴き声が聞こえる。
太った男は片膝をつき小鳥を見下ろし。

「まぁだ生きてたんだ、しぶといねえ。
 しょうがねーな手当てしてやるよ。」







「次の街についたらな。」
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。